「カズくん、去年は一人で行ったくせに」

「……そうだな」



「なんで一人で行ったの?
去年は理由を教えてくれなかったよね」


「……秘密」



なんとなく、千夏に弱味を握られる気がして



「あっそ、じゃ行かない」と言って
自転車から飛び降りた


ちょっ!


「危ないだろ!!」

「私、着地には定評あるもん」


さすが体操部。言うことが違う



「千夏、乗れよ」

「やだ」


んもー



「…分かったよ。話すから乗れよ」