そうだ。
「千夏ってさ、嘘泣きできるのか?」
「なんで?」
「いいから教えて」
「時と場合かな」
「それを教えて」
もっと具体的に!
「うーん…あ、小学校の5年の時に私が転んじゃっておんぶしてくれたことあったでしょ?」
「あったな」
「あれね、最初は本当に泣いてたけど途中から嘘泣きだよ」
えーーー!
「マジか」
全く気付かなかった
というか…
「どの辺から切り替わった?」
「えっと、痛くて泣いてるのにカズくんてば全然心配してくれなくて」
そうだっけ?
「だからなんか悔しくて、もう痛くないけど泣いてたんだ。
そしたら、おんぶしてくれた」
つまり
「おんぶされたくて泣いてたのか!?」
「うん」

