時計を見ればもう夕方
時間の経過が恐ろしく早い帰り道
チラッと横目で千夏を見る
~~~何度見てもいい!
もう、千夏がワンピースを着てるだけで大満足だ
「ねえ、カズくんは明日部活だよね?」
「え?ああ、部活っていうか自主練」
「3on3の練習?」
「うん」
「いつやるの?」
「あと1か月後くらいかな」
「見に行っていい?」
「いいけど……瀬戸が泣くぞ」
「なんで?」
「たぶん、三井先輩の彼女来るし鉢合わせになるだろ?」
「??どういうこと?」
「その、なんだ、」
千夏が来るのは嬉しいが
オレまで女の子を連れていったら何となく瀬戸に悪い気がして
「あーあれだよ、まだ失恋のショックから立ち直ってないというか」
「ふーん……じゃ、私が誰か友達を連れて行くよ」
へ?
「それならきっと泣かないよ~。瀬戸くんの好みのタイプは?」
「あーたぶんなんだけど……ビシッとしてる感じの子かな」
Mなんだ。とは言えない
「?そんなんじゃ分からないよ」
ああ、なんでこんな話になったんだ
説明のしようがない
「ちょっと、尻にひかれたいというか、リードされたいというか……」
「ああ、なるほど」と千夏は納得した
え?こんな説明で分かるの?
「要するに、カズくんよりも差が激しいんだね」
……わ、分からん
「母性本能をちょっとくすぐる所があるよね」
へえ
「え?オレは?くすぐられる?」
「ちょっとね」
そして、フフッと笑って「いいの。カズくんのことが分かればいいのは私だけ」と言った

