「あのベンチ空いてるぞ」
ぺろぺろ
「もう、食べながら歩くなよ」
「我慢できない」
しょうがないヤツだな
「半分食べたら取り替えっこね」
「うん」
………それにしても、甘いな。甘すぎだろ。かき氷の方がいいや
「はい。交換するよ」
「早っ!!」
「カズくんが遅いんだよー」
「だって、コレ甘すぎ。お茶が欲しい」
「はい」とバッグからペットボトルのお茶をくれた
「ありがと」
なんだか、最近は間接キスというものに対しての抵抗が減った
前まではいちいちドキドキしてたんだけど
千夏があまりにも平然とやってのけるから
こっちまで普通にするようになってしまった
“馴れ合い”という言葉は惰性的な要素があるような気がして好きじゃない
でも“つうかあの仲”とか“阿吽の呼吸”いう言葉は好きだ
そりゃあドキドキすることも、もちろんあるし
ドキドキしたいし、させたい
もしも、そんなドキドキするようなことを
自然とやってこなせるような仲になったら
それはとてもスゴいことだと思う
そこまでたどり着くまでに
きっと色んな出来事があって
困難を乗り越えて行くんだろう
ああ、恋愛って深すぎて困るね

