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「やっぱりあの人が犯人だったね」
「オレ、全然気づかなかった……」
なんで分かるんだ?
「お前、勘が良すぎないか?」
「女の勘ですから」
なるほど
それから少しプラプラと歩いていたら
「あっ!!」
千夏がジェラート屋を見つけてしまった
「メチャクチャ並んでるじゃないか」
「カズくん、行くよ!!」
いくのかあ
「これだけ並んでるってことは美味しいはずだよね!!」
「たぶん」
「これ、何分待ちかな?」
「どうだろな……先が見えない」
「ちょっと、抱っこして」
ええ!?何を言ってるんだ!?
「ほらほら、早く」と急かしてくる
こんなに人がいるのに?
わーー……
周りの人がみんな見てるじゃないか
千夏って度胸があるというか
考えなしというか、周りが見えてないというか
「ここで?ホントに抱っこするの?」
「今しないで、いつするの!?」
……分かったよ
よいしょ、と抱っこした
「うーん。よく見えないなあ」
もー、アイスと射的になるとこれだよ
「よく見えないなあ。ちょっと、もっと上にあげて」
「はいはい」
よっ、と上にあげた
………………ーーーーーこれはマズイ
お、お、おっぱいが………
顔の前にーー!
うっひゃあ~~
これって誰得?
オレ得すぎるーーー!!!
ありがとう。ジェラート屋さん、ありがとう。
行列、ありがとう
今日という日に感謝します

