ある男子高校生の恋愛事情



「あ、カズくんいたんだ?」

ハッ!帰ってきた!


「千夏!おめでと!!」

「「…………………」」





「来たの?」

「えっ、と、その」


ジーーとオレを見てくる

「来たね?」

「…ごめんなさい」

絶対に怒られるーーー


「……見た?」

へ?

「何を?」


すると、千夏は「別に、なんでもない」と言ってバッグをゴソゴソをしだした



中から金色のメダルを出して「はい」ってオレの首にかけた

え?

「あげる」

……え?


「ダメだよ。大事なものだろ」

「いいの」


なんで…

千夏はフフッと笑って「貰って?」と言った


なぜ、メダルをくれるのか

記念だろうに、思い出だろうに、誇りだろうに


分からない。見当もつかない

でも


「……ありがとう」

千夏の気持ちを受けとることにした



「何かお祝いしようか?」

「別にいいよ」


そんな訳にはいかない

「何でもいいよ。ちょっと高めのアイスとか?」

「…………」


「風邪ひいてないけど、プリンも付けようか?」

「………えと、じゃあ、……5分、ちょうだい」