ある男子高校生の恋愛事情



思わず、左手を口元にあてた


だって

絶対に顔が赤い
絶対に口元が綻んでる


どうしていいか分からなくて
一瞬だけ足もとを見て


この心臓の鼓動を落ち着かせようとしたけれど

治まるワケがなくて


千夏はまだ、Tシャツを握っていて


ーーーーー溢れてしまう


もう、

もう、ダメだ


ギリギリだ

溢れて、こぼれてしまう


ーーーこぼれる前に







……………ばーか。

千夏のばーか



どうしてくれる


期待するだろ

伝えたくなるだろ


………今すぐ、お前の所へ行きたくなるだろ