ピンポーン

インターフォンを鳴らしたら、おばさんが出てきた


「あら?どしたの?」

「夜分にすみません」


「部屋にあがったら?」

「あっ、すぐ済みますから」


「じゃ、呼んでくるわね」とおばさんは千夏の部屋に行った




パタパタと小走りに千夏が玄関にやってきた


………パジャマだ。髪も濡れてる

「こんな時間に悪いな」

「別にいいけど…」



「……………………」

「……………………」


「?カズくん?入らないの?」

「…すぐに終わるからまた今度にする」

「うん?」



「今日、アイスないんだ」

「うん」



「用事もないんだ」

「うん」



「でも、なんか来たかったんだ」

「……うん」



「それだけ」

「……うん」



「風呂上がりに悪かった。髪の毛乾かしな。
風邪ひくといけない」

「……うん」


「じゃあな」と言って、ドアに手をかけた


「カズくん」

「ん?」と振り向いたら


「風邪の時は?」って笑って聞くから

「プリンだろ?」って答えた


「おやすみ」
「おやすみ」


パタンとドアを閉めた