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……ジーン………
なんだこれ、めっちゃいい話じゃないか
これはもうゲームじゃない
ドラマだ
いや、ドラマだってこんなに感動しない
この少女、いい娘じゃないか
主人公のばかやろー。気づいてやれよ
「うっうっ………」
ん?
横を見たら、瀬戸が号泣している
「ううっ、なんでぇええ」
だ、大丈夫か!?
「瀬戸、どうした。山口、ティッシュ探せ」
ええと、どこにあるんだ
「もう、コントローラー握れないですぅうう」
「ほら」とティッシュを渡した
「瀬戸ー、どうしたー?」
「自分と重なって……うわーん」
どうしよう。かける言葉が見つからないぞ
「瀬戸、まだ前の彼女が忘れられない?」
「時間が癒してくれるさ」
「うぅっ、そんなの、知ってるけど、」
「もう一回、連絡してみるとか…」
「うーん。悩みどころだな」
「時間が解決って言うけど、それっていつですかね?」
………
「諦められないんです」
「だって、思い出すんです」
………
「すみません。僕の方が女々しいですよね」
……痛々しい
「後悔、してるのか?」
「……え?」
「好きだったことは後悔していないんだろ?」
どういう…
「なら、いいんじゃないか?」
「三井先輩…すみません、僕、よく分かりません…」
三井先輩は「ふう」と息をついてから
「だから、同じ悔やむのでも
“好きにならなきゃ良かった”より
“好きになって良かった”の方がいいだろ」
「自分が好きになった人を否定することは
自分を否定するのと同じことだ。
自分を否定するような恋じゃなくて良かったじゃないか」

