ーゴクリ
「ちょっと聞きたいんだけど、どれが欲しいの」
「アレ」と男児が指をさしたのは
「無理だろ」
箱物じゃねーか
「あのね、アレは固定してあるから無理なの」
「そんな小細工してねえよ。人聞き悪いな」
「引っかかったね」
幼い子供を引き合いにして確認するとは!
店主のオヤジもビックリだ
「大きい箱と小さい箱のどっち?」
「うーん」
「あのね、3発だと大きいのを狙うには弾数が足りないんだよ」
コラコラ
「千夏!回数を増やそうとするな!」
「バレたあ」
分かるわ!
そして甚平男児は満面の笑みで去って行った
「お前……女スナイパーだな」
「まあね」
「“タカの目千夏”と呼ばせてください」
「カズくんは“アリの目”だからね~」
なっ
「ほら、アリの目を発揮する場所があるよ」

