「私のこと、本当に好きなんだね」
うぬぼれでもいいもんね、功司は私のことが一番好きだもんね。
頬杖をついて上目使いなんていうあらわざを使ってみると、予想通りの言葉が返ってくる。
「そうだな。百花が俺のことを好きなのと同じくらい好きだぞ。だから、苺は真っ先に食べるんだろ?」
「うんっ。苺な私たち、だもんね」
「そうそう」
顔を見合わせてくすくす笑っていると、相変わらず功司を意識しているのがまるわかりの店員さんがショートケーキを持ってきてくれた。
功司の前にそっとケーキを置きながら、何度も功司の顔に視線を投げる……器用だなあ。
感心しながらケーキを見ると、さっき私が食べたのと同じもの。
なのに、ベリーソースが私のよりもたくさんデコレイトされていると思うのは気のせいじゃないと思う。
ちらりと功司を見ると、功司も同じことを考えていたのか、肩をすくめて笑っている。
男前って、得だな。
店員さんが名残惜しそうに立ち去った後、わくわく期待する私に応えるように、真っ先に苺を口にした功司。
口に入れた瞬間、満足げな笑みを浮かべ、私にアイコンタクト。
『百花を誰にも取られないぞ、逃がさないぞ』
とその目はおっしゃっている。
でへへ、という何とも色気のない笑い声をあげた私に、嬉しそうに大きな笑顔をを作った功司。

