「史音っ!笑顔で帰れる場所があるっていいね!」


三原家にいたときはなかった私の居場所。


空にぃに拾われてやっと出来た居場所は、場合によっては愛想笑いだった。


だけど、狼鬼に…史音たちに出会えて本当の居場所になったんだ。


「だな。本当に最高の居場所だ」


そっと手を握られ、手の甲にチュッと音を立ててキスをされる。


「ちょっ!///」


「少しだけだよ…」


「もう…」


肩の力を抜くと、史音は目を細めて笑った。


本当、整っている顔だな〜。


そんなことを思いながら、ゆっくりと目を閉じる。


静かに重なる唇。


もう少ししたらみんなの待つ倉庫に帰ろう。


きっとみんな遅いと怒りながらも、優しい笑顔で迎えてくれるだろう。


それまでは…史音と一緒にこの幸せの中にいたい。