「あんた達が捨てたんだろ?!それでなんだっ!依亜が幸せで許せない!?自分勝手にも程がある!」


「史音っ!もういいから!!」


「ダメだ!ちゃんと言わねぇとまた繰り返すだけだ!」


〝また繰り返す〟


それは今度は瑠依を捨てるということ?


だけど、あの子は黒髪と黒い瞳。


捨てられることはない。


それに、史音が私のために怒ってるのはわかってる。


私だって、勝手過ぎるって思ってる。


そんな思いのために私は捨てられたって思うと辛い。


…だけど、今はなんでかな。


あんまり憎くはないんだよ。


どうしてだと思う?


史音やみんながいたからなんだ。


私は1人じゃない。


それに、捨てられたからこそ出会えたんだ。


逆に感謝しないといけないと思うんだ。


「史音、大丈夫だから。落ち着いて」


じっと見つめると、史音はため息をついた。