スキ×キライ=スキ?

「ふあっ」

上履きに替えて、階段を一気にかけ上る。
降りて来る人がいなくて良かった。

泣いているのが自分で分かった。
視界が滲む。
喉が熱い。
もう、イヤだ。

教室には誰もいなかった。
机が、黒板が、静かにそこにあるだけだった。
私と、真姫と、とも太の鞄がそれぞれの机にかけられたまま残ってて、そこだけが、日常の存在を感じさせた。

「うぅっ。ぅあっあー」

入ったドア横の壁に背をつけると、立っていることもできずにズルズルとしゃがみこんだ。
両膝を立てて、腕を組んで、そこに顔を埋める。
頭の中は冷静なのに、涙が溢れて、言葉にならない声が出て、どうしようもなかった。