−土曜日。

中学以来にあがった真姫の部屋は、記憶と全く違っていた。

パイプベッドの横にはライトスタンドと、こないだ会った彼氏と一緒にピースする写真。

クローゼットの扉には、明日のデート服らしき、淡いピンクのワンピースがかけてあった。
恋人のいる女の子の部屋、だ。

 中央のガラステーブルに出されたレモンティーを、ストローで啜る。

「相談て、どっちの?」

真姫がベッドを背もたれに聞いてくる。

「どっちも」