翌日から学校の噂の中心になった『願叶箱』は、昇降口に置かれた。

左右に広い昇降口の真ん中に、廊下へ続くスペースを分断するように太い柱がある。


そこに−
出入口に向けて置かれていた。
小さな鳥居もつけられてご利益がありそうな感じがする。

すりガラスから射し込む光があたると黄金に輝き、存在をアピールするようだった。

 登下校時はちょっぴり邪魔にもなっていたが、混雑に乗じて紙を入れていく「誰か分からない」作戦も便乗者が増えている。

ただ、3日が経っても願いが叶ったという噂はまだ聞こえてこない。