「ねぇ、今度の土曜日空いてる?」 気がつけば放課後。 帰る準備をする私に、そう言ったのは葵……ではなく星野くん。 「はい?」 思わず聞き返す。 何の目的で私の予定を聞くのか全く理解できない。 「土曜日空いてる?」 顔色ひとつ変えず、再び同じ言葉を発する。 「空いてる……けど」 「じゃあ映画行かない?」 「え!?」 「土曜日までの割引券があるんだ」と言って笑う星野くん。