「綺琉ー!おーきろ!朝だぞー。」

耳がうるさい。

耳が痛い。

「うるせぇよ。シエル……黙れ」


ライもうるさいと思ったようだ。
あーあ。兄さまの所為で完全に目が覚めた。

「そうだ、制服とか渡すの忘れてたんだよな。教科書とか、学校に必要にもの渡さないとな。」

そう言って兄さまは指を鳴らした。

そしたら、目の前に突然出てきたのだ。

『兄さま、兄さま!どうやるのそれ!


「念じるだけさ。綺琉にはそれができるはずだよ。学校に行ったらやってみるといいよ。」


「そして、今思ったんだけど真名じゃない名前教えてなくない?」


あっ……。

ライと私が思わず声を漏らした。


『私の名前何?ちょくちょくディアって呼んでたけどそれが名前なの?』

「そうだ。ディア・ウェルトン。それが、お前の名だ。」

そっか。自分の名前が知れてよかった!



ーーーーーーー。

そういえば、学校の時間大丈夫かな?

『兄さま、学校って何時から?』


「あぁーーーー‼‼やばい綺琉が遅刻する!あと、20分で入学式始まる!綺琉!歩きながら食べられるもの用意しとくから、準備してて!」


そう言った後、扉を全開にして出て行った。

その後に、ライも扉を閉めて部屋から出た。