「綺琉…こっちだ。早く来い」


私は行く当ても無いので声の聞こえる方向へ足を進める。



黒すぎて何も見えない筈なのに声の主の存在がわかった。



一面黒なのに、一目みればすぐに見つけられる黒の物体…。



近付いて見るとその正体が分かっ
た。



ーーーーーー狼だ……。



何だろう…ずっと一緒にいたような気がする。



カッコイイ…。



綺琉がそう言うのもしょうがない。


2m以上の高さがあり、普通の狼と比べてもこの狼は力強い体をしていて、品を感じる。



人間だったら絶対カッコイイと思う…。