『行くなぁァァァ!行かないでくれ』



『ごめんね』
あれ?なんで私泣いてんだろう…



『これ…お…は…もの…』
嫌だ!行きたくない助けて!助けて!





ガバッ



『はぁ…はぁ…こ、怖かった。あれ?内容ってなんだっけ?』
覚えてない…でも怖い夢だったことは覚えているんだけど…



そう思いつつベッドからおりる



パンを焼いている間に私はブレザーに袖を通した。
今日から新学期、高校二年生だ。



そして焼けたパンを口にくわえて家を出る



“行ってきます ”
そう言っても返してくれない誰もいない家に毎日言っている。



家族なんて物心ついた時からいない
そのまえに一人で暮らしていける歳までの記憶がないのだ



考え事をしているうちにもう学校に着いた。


それと同時にパンを食べ終えた。