私は、風俗嬢。


カーテンの隙間からは青空が見える。


だけど、私の今いる場所は空気清浄機があるにも関わらず、空気は酷く濁っていて、静かに有線とテレビの音だけが響いていた。


この空間と、外の世界を分けているのはたった1枚のカーテンと窓。

それなのに、私の目にはその風景が外世界のように写っていた。


これが私の日常なのだ。

これが私の毎日の風景なのだ。


カーテンに手を伸ばしたその時、手元の携帯電話が震えた。


「アイナちゃん、仕事入ったよ。」

一つ溜め息をついた後、「わかりました。」とだけ返事をする。

そして、携帯を私物の鞄とは異なる、シンプルな黒い鞄にしまい、その場を後にした。