「冗談だよ、バーカ」



クスクス笑いながら私の頭を小突く先輩に、頬がカーッと熱くなって胸が高鳴る。



そのイタズラな笑顔にドキドキが止まらない。



やっぱり


ドキドキしてるのは私だけみたい。



たくさん悩んで

考えて

パニックにっているのは

私だけみたい。



「も、もうっ!からかわないで下さいよ」



「うっせえ、バーカ」



髪をわさわさ掻き乱される。



「またバカって言った!ちょ、ぐちゃぐちゃになるじゃないですか」



そう言いながら身をよじらせるようにして逃げる。



なんだかんだで、こんな風にじゃれ合うのは嫌いじゃない。