「せ、せんぱ……くるし……っ。も、ダメ」



さすがにもう限界で。


唇と唇が離れた僅かな隙にそう言う。


このままじゃ言わなきゃ離してもらえなさそう。



真っ赤になりながらなんとか絞り出した声に、先輩は薄目を開けてクスッと笑った。



「こんなんで参ってちゃこの先が思いやられるな」



ドキン



耳元でそう囁かれてさらに真っ赤に。



こ、この先って……。



「な、なに言ってんですかっ」



「心配すんなって」



ニヤリと笑って先輩は囁く。


そう。


悪魔のように。