イジワルなキミの腕の中で



もう一回くらい言ってくれてもいいのに。


いいもん。


やけ食いしてやるんだから。



諦めた私は、お箸を割ってハンバーグを突ついた。



それを口に運ぼうとした瞬間。



「好きだ」



ボソッとした声が聞こえて、ビックリして顔を上げた。



そこには真っ赤になっている航希の顔があって、お箸で掴んだハンバーグをボトッと落としてしまった。



今、確かに聞こえた。


“好きだ”って!


幻じゃなくて


確かにそう聞こえた。



「も、もう一回言って!」



「言わねぇよ」



「えー、ケチ!」



だけど自然と頬が緩む。


にやけてどうしようもない。



やっぱりちゃんと伝えて良かった。


航希の気持ちも知ることが出来たし、これからはちゃんとぶつかって行こう。



また色々悩んだりするかもしれないけど、まっすぐに向き合うことの大切さを改めて実感した。