イジワルなキミの腕の中で



反応しない私に先輩は続ける。



「もう何もしねえし、コレを渡したかっただけだから」



目の前に差し出されたのは、ルーズリーフの束。



「え……?コレは」



恐る恐る顔を上げると、寂しそうに笑う先輩と目が合ってズキンと胸が痛んだ。



「各教科のお前が苦手なところをまとめたヤツ。これで予習すりゃ、補習は免れるだろ」



え……?


私のために、わざわざ?



「あ、ありがとう」



素直にそれを受け取る。


全部手書きで綺麗にまとめられていた。



う、嬉しい……。


先輩のさり気ない優しさが。


自分の勉強よりも、私を優先してくれたんだ。


それなのに私と来たら、メールも返さずにただ悶々としてただけ。