イジワルなキミの腕の中で



「あ、わり」



慌てたように先輩はパッと手を離した。



「……ううん、だ、大丈夫」



この前のことがあったから、変に意識しちゃってうまく話せない。



「頼むからメールだけはムシすんなよ。んなことしといてあれだけど、ちゃんと帰れたかすげえ心配したんだぞ?」



うっ。


確かに。


逃げ帰っちゃったもんね。



「ご、ごめん」



ポツリと呟く。


顔を上げることが出来ない。



「無事で良かったけど、今度からメールはムシすんなよ」



「う、うん」



呆れたような口調で先輩は言った。



「つーか、俺の方がごめん。いきなりあんなことして」



「…………」