イジワルなキミの腕の中で



それでも大分びしょ濡れになったのは言うまでもない。



「ッ……クシュン!」



さ、寒い……!


寒くて凍えそう。


濡れたせいかブルブルと体が震える。



「大丈夫か?」



「……う、うん」



そうは言うものの、唇が震えてうまく話せない。



体の芯から冷え切ってしまって、指先の感覚もなくなっていた。



「冷てっ!」



玄関に入った後、靴を脱いだ先輩が私の手に触れて目を見開く。



「こんなんじゃ風邪引くだろ。着替えも貸すから、上がれよ」



そう言われて少し躊躇う。



だけどこの状況で断ることなんて出来なかった。



何より、本当に風邪を引いちゃいそうだったから。