君がいなかったら

「君たち、経済学部の新入生?」
すらりとした男性が2人。ニコニコしながら立っていた。
1人は明るい茶髪で人懐っこそうな印象。もう1人は黒髪で短めでスポーツマンタイプ。2人ともいかにもモテそう。
こわい。
私は咄嗟に一歩後退りした。
隣を見ると姉はここぞとばかりに愛想を振り撒いて「はい!」と元気よく返事している。
「俺たちも経済学部の新入生なんだけど、良かったら仲良くしよ」
茶髪くんがテンションの上がった声で言っている。
ますますこわい。
「これから経済学部の新入生で飲みに行こうって計画してるんだ。一緒に行かない?」
姉は行きたそうな顔で私を見る。
「どうする?」