オリエンテーションは午前中で終わり、午後は自由時間だった。さすが大学、自由。
「すず、サークル入る?」姉が肩まである栗色の髪を耳にかけながらサークルの募集板を見つめる。大学に入るにあたり染めたらしく私はまだ栗色の髪を見慣れない。私だって染めたい。だけど理由があり染められない。それが私を暗くした原因でもある。
「私、またサッカー部のマネージャーやろうと思うの」
高校でもサッカー部のマネージャーをしていたのだ。聞いた話ではサッカー部員にとって癒しの存在だったようだ。
私にはどうでもいいけど。
「今から話を聞きにいくから一緒についてきてくれないかな?」
時間を見ると13時前。少しおなかがすいたが…。
断ろうかどうしようか迷っていると隣から声をかけられた。