夏恋ミラクル




え……、雨?



今日天気良かったし、そんな訳ないと思って、空を見上げてみると



空は星一つ見えなくて……空さえも見えない。



いつの間にか厚い雲で覆われていていつ雨が降り出してきてもおかしくない状況になっていた。



そしてポツポツと雨が少しずつ降り出してきて、それに気付いた七瀬くんは



「本降りになる前に駅に戻ろう。



傘もないから降られたら電車乗れなくなる」



と言った。



あたしはまだ全然花火見てなくて残念だけどコクンと頷いた。



花火は未だに上がっているけど、周りの人達も雨に気付いて「うわー降ってきたな」「どうするか?」と言っている。



あたしはシートを片付けるとバックにしまって、七瀬くんの手を握って



混雑する前に二人で花火大会を後にした。