優しく触れ、捻ったところを確認する。

「結構捻ったな」

一人言のように呟き、何かを考えるように目を細めた彼を見る。

本当に影みたいな人だ。

じっと見つめると、服装に違和感を覚える。もしかして…

「…忍者ですか?」

そう呟いた途端、肩がぴくりと震え、ゆっくり顔を上げて見つめてきた。

この反応は肯定を示していると気づく。

「………お前は人間だろ」

視線を落として訪ねてくる質問に私は「はい」と一言返事をした。

この国は色んな能力や人種の人がいて、忍者は人間の部類ではなく、《ヒトガタ》。

忍者は影の存在なので、人間に害を与えることはないが、他の人種は人間よりも遥かに身体能力が高く、好戦的。

その中で人間は力を持たずひ弱。怯えながら暮らす毎日だ。