何も言えず屋上に行くことにした

初めて授業サボったな…

私は1人でただただ泣いた

何で別れないといけないのか。
何で翔汰くんが隼人を脅す必要があるのか。
何で隼人に無視されないといけないのか。

私は何もわからなくて悔しかった。怖かった。

たった一人の屋上で声を殺して泣いていた。

『ガチャ…』

?!
…誰かが屋上に入ってきた。
どうしようこの状況…。

「お前誰?」

振り向くと知らない人が。

「なんで泣いてんの?」

そっと私にハンカチを差し出してくれた、その人の優しさに溺れてしまいそうだった
それと同時に翔汰くんと交換したハンカチを思い出した

ますます涙を流した。


ずっと静かに私の背中をさすってくれているその人が誰なのか気になった
ひとまず、泣き止むことができた。

「泣いててすみませんっ…。ハンカチありがとうござ…いますっ…。あの、あなた誰ですかっ…?」

「なんで謝るのw大丈夫だよ。俺は3年の工藤友樹(くどうゆうき)だよ」

…えっ先輩…?

「すみません!先輩だって知らなくてっ…!馴れ馴れしくてすみませんでした…っ!」

でもその人は優しくて…。
「大丈夫だよ?それより、君大丈夫?
…あっ、君の名前も教えてよ」

「大丈夫です…!私は深瀬未姫です…!」

可愛い名前だね、と微笑んでいた彼に惹かれていた。

翔汰くんがいるのに…

心の何処かで罪悪感が痛む。

ずっと話していたいな…

『キーンコーンカーンコーン』

…あっ!
もう時間たったんだ
はやかったな…。

私は勇気を振り絞ってこういった
「あのっ!Line教えてくれませんかっ…?」

友樹先輩は、いいよと言ってくれた


嬉しかった。
ただそれだけだったのに…。