憧れの君。
いつのまにか好きになっちゃったんだ。

叶うと良いな。
私の片思い。


今日もかっこいいなぁー…。
憧れのあの人…。

私、深瀬未姫(ふかせみき)の視線の先には、みんなの憧れの
後藤翔汰(ごとうしょうた)くんがいた。

本当にかっこいいなぁ…

高校一年生の時から、二年生の今まで、ずーっと私が片思いしてる人。

そのきっかけは、もうすぐ一年生の終わり頃のときのこと。



私は図書委員で、放課後の図書当番をしていた。

「…あ、もう時間!帰らなきゃっ!」
もうすぐ見たいテレビ始まっちゃう!
はやく帰らなきゃっっっ

図書館の鍵をしめてっと!

「かーえーろー♪」

急いで走って帰らないと…!

タタタッ…!

私は大急ぎで廊下を走った。

この、曲がり角を曲がれば玄関だっ…!

タタタッ…!

「きゃっ!?」

ドン!!!

「痛っ…」


状況がよく理解できなかったが、私の制服がびっしょりと濡れていた。

前を見ると知らない人。
多分、違うクラスの男子だろう。
その人も濡れていた。
手にはバケツ。

そっか、水の入ったバケツをもった人とぶつかっちゃったんだ。

私は頭の中で理解した。

「大丈夫?!
ごめんね!俺、清掃委員で放課後の掃除で…!」

その人のひとことで私は我に返った。

「はい!す、すいません!!!
あの、大丈夫ですか?私のせいで濡れちゃったみたいです…。すいません!」

「大丈夫大丈夫。それより君のほうが濡れちゃってるみたいだけど…
大丈夫?これ使って?」

その人は私にハンカチを差し出してきた。

とってもきれいな水色のハンカチ。

「いやっ!ハンカチあるのでっ!
大丈夫です!
それよりあなたのほうが濡れてますつ!
これ、使ってくださいっ!」

私は、その人にピンク色のハンカチを差し出した。

「ははっ、君おもしろいね笑
じゃあ、そのハンカチ借りるから、俺のハンカチ借りててよ。」

…交換っていうのかな?

なんか嬉しい。

「あの、名前…教えて下さい」

彼は驚いた顔で

「本当に俺の名前知らないの?」

なんだろう、有名な人なのかな…?
でも知らないものは知らないし…。

頭の中で考えていると

「そっか、一年も同じ学年なのにな笑
俺の名前は、後藤翔汰。
君は深瀬未姫ちゃんだよね?」

後藤さんって言うんだ…
私の名前知っててくれてる…

一年も同じ学年なら知ってるはずか…
私は暗記系むりだから覚えられないけど…。

あぁぁ…絶望的だ…。


「あ、俺のことは翔汰って呼んでよ
俺はー…未姫って呼んでいいかな?」

「いや!!!
名前呼びとかおそれおおいだす!!!」

「え…?だす…?」
 
「あっ、いやっ…!
翔汰くんって呼んでも…いいですか?」

「うん、いいよ
それとタメでいいよ」

「はい!
あっ、…うん!」




こんなことがあって好きになってしまった。

一目惚れってやつかな?

優しくて日に日にひかれていった。

クラスは違うけど、たまに図書館に来てくれてお話をしたりして…

私にとって放課後は幸せな時間だった。


そして、二年生に進級してクラス替えがあった。

神様にお願いした結果があったのか
同じクラスになれた…!

毎日、学校に行くのが楽しみになるくらい嬉しかった。


そして、今も片思い進行中なのです。