「アハハハハ!!」


昼休みの廊下は、生徒たちがおしゃべりしてて、楽しそう。


あんなことしなかったら...みんなと同じように笑って過ごせる時間になっただろうに。



今は...とてもじゃないけど、無理。



気分なんて上がらない。

上がるわけがない!!



さっきのことを思い出して、身震いした。





「キミ.....名前は?」


あのまま彼にそう聞かれ、答えにつまってしまった。



.....あなたこそ誰ですか?!?

私の心の中はそんなプチパニックに陥っていたのですから。



「おい、ゆーわ。

知らねーのか?

1年の福士(フクシ)だよ」



不意に聞こえた声の方に目をやると。


........!!

あの、チャラ男が私を見つめていた。



「.....フクシ?」



妙に色っぽい声で苗字を呼ばれ、少しびくりとした。



「下の名前は〜?」


首を傾げて尋ねてくるゆーわと思われる人物。



「...みつきです」


そんな私の言葉を聞いて、満足気に笑った。



「よろしく、福士みつきちゃん」



フルネームで呼ばれ、なんだかおかしな感覚だったのを覚えている。