「今から帰るから僕が選び終わるまでに帰る用意しといて」 「え?」 「歩いて帰るより車の方が早いだろ」 頭の上にはそこまで大きくもない掌が乗った。 そんな事父以外の男の人にされた事もなくて、でも目の前にいるのは男で。 頬が熱くなっていく中、断る術を持たない私は小さく頷き 図書室の戸締りをし始めた。 チャイムが鳴り5時半だと言う事を知らせる。 戸惑ってばかりの新しい生活は 今日から本番のようだった。