その小さな小さな棘が、私達の心にわだかまりを生んだのかもしれないなぁ_

少なくとも、私はそうだった。

最後の会話の内容は、喧嘩というにはあまりにも些細だった。

お互いに自分の不満を語った、という感じだった。

それについて、こちらから謝るのも変だと思ったし、そもそも謝るべきことであるのかも解らなかった。

ただ愚痴を零しあっただけ、といえば、その通りなのだから。

でも、会話の終わり方が駄目だった。

どちらが先にかは解らないが、寝オチしてしまったのだ。

最後に、「お互い慣れない環境だけど、頑張ろう」とでも言い合えればよかったのに。

当然、寝覚めは最悪だった。


きっと、リョウトもそうだっただろう。