まるで蓮が転校していく日みたいだった。

周りに人がいるからって理由で、逃げたあの日。

いいかげんにしろ、私。

逃げるな!


「ねぇ!待って!」


予想外に大きく出た声に、蓮と友人達は何事かと振り返る。

数名の男子に凝視され、脚が震えそうになる。

逃げるな私!逃げるな!

「よ…横井くん」

言え!ちゃんと伝えろ!

蓮は、待ってくれてるんだ!


「…蓮、私のこと、このクマのことおぼえてる?」