その声は蓮__と、彼の友人たちの声だった。

せっかく会えたのに、また一人じゃないなんて。

蓮はおしゃべりに夢中で私に気づいていないらしかった。

上履きをローファーに履き替えながら、笑顔の蓮の横顔を見る。

見つめながら、はっきりした。


蓮、私、まだ蓮のこと好き。


悔しいやら小恥ずかしいやらで今にも涙がこぼれそうだ。

零すまいとしている間に、蓮は友人たちと校舎を出て行こうとする。

待って。

行かないで。

私は袖で涙を強引にぬぐった。