強い思いを胸に学校に来たものの、蓮とは別のクラスで大したかかわりもない。

休み時間も蓮の周りは常に友人たちでブロックされていた。

全ての休み時間にタイミングをうかがったが、蓮が一人になる機会はなかった。

私の焦りをよそに一日は過ぎる。

学校がある日は今日だけではない。

だけど、今すぐ話しかけないと、きっと私はまた逃げてしまう。

それなのに…


「もう、下校時刻?」


スピーカーからは下校時刻を告げる蛍の光が流れだした。

私はなすすべなく下駄箱へ向かう。

悔しい。もう、泣きそうだ。

しかし、下駄箱で聞き覚えのある声がした。