幸福の花 ~夏~

「お前の名前、『呪い』なんだな!」

そいつは花言葉を指差したまま下品に笑った。

私は呆然として、声がだせなかった。

私の名前が、『呪い』?

嘘だと思いたかったが、図鑑のページには確かにそう記されていた。

その後、そいつにより私の『呪い』の話は学年じゅうに知れ渡った。

一部の者は私を指差して嘲笑った。

一部の者は私を哀れんだ。

本当に嫌だった。

私を笑うな!私は可哀想な子じゃない!

私は、『呪い』じゃない!