蓮と会える最後の習字の日に私は、手紙とキャラクターのストラップを用意した。

習字の帰りに蓮に渡そうと思った。

でも、嫌がられるかもしれない。

私なんか忘れてるかもしれない。

そんな思いがあって、直前に渡すのを迷ってしまった。

ぐずぐずしていると誰かにぶつかった。

「ご、ごめん」

とっさに謝る。

「ん…こっちこそごめん」

蓮の声だった。

顔を上げると、蓮は何食わぬ顔で私の横を通り過ぎて行った。