「横井の席は小野寺の隣な。そう、あそこだ」

担任が私の隣の席を指差しながら蓮に指示する。

蓮は言われた通り、隣に座る。

「よろしく」

蓮が小さな声でぶっきらぼうに言った。

「よ、よろしくね」

どぎまぎしつつ言葉を返した。

蓮は特に会話を続けるでもなく、平然と荷物を片付けだした。

私は蓮の顔を横目で盗み見た。

(間違いない…)

確信した。

蓮は私の初恋の相手だった、あのこだ。