「陽菜乃、中一のときから行きたいって言ってた高校あっただろ?」

「うん…」

「そこ行きたいなら、そこ行ってくれ。俺のために後悔すんな」

「っ…」

涙が溢れて声にならない。

瞬のことを疑ってしまった自分が。

情けなくて。

恥ずかしくて。

自分が瞬に愛されていることが。

嬉しくて。

涙が止まらない。

「もしも、高校が別になっても、」

やっと声がでた。

「私だけを、見ててくれる?」

「当たり前だろ」

そう言って瞬はもう一度私を抱きしめた。