「瞬?」

「好きに決まってるだろ」

はっきりした声だった。

「俺と同じ高校行ってほしいに決まってるだろ」

「じゃあ、なんで…」

「陽菜乃に、後悔して欲しくないんだよ!」

瞬にしては珍しい、強い口調だった。

「あんまり会えないのは仕方ないって思える。でも、陽菜乃が後悔して、悲しむのは嫌なんだよ!」

「…」

私、バカだ。

瞬は、本当の意味で優しいんだ。

また涙がこぼれる。