悠太がガサガサと袋から中のものを取り出す。

背中を嫌な汗が伝う。

中からでてきたのは…


クロユリの鉢植えだった。


全身から汗がふきでる。

うまく声が出ない。

こちらの気持ちに気づかないように悠太が話す。

「何年か前に爺ちゃんに球根貰ってさ。今年やっと咲いたんだ」

「止めてよ…」

やっと声がでた。

「クロユリなんか見せないでよ!」