「悠太、なんでトランプなの?」

目を合わせずに聞く。

「え、だって雨だし」

そっけない返事だった。

「百合動けないだろ」なんて返事を期待していた自分がひどく馬鹿らしく思えた。

軽い自己嫌悪に陥る。

「それに、」

悠太の声で顔を上げる。

「百合動けないだろ」

悠太が無邪気に笑う。

顔が赤くなるのが自分でも解ったから顔をふせた。

(こっちの気も知らないで…)