幸福の花 ~夏~

足元を滑らせた私はそのまま滑り落ちた。

尻餅をついたため尾てい骨が痛い。

さらに、右足首が激しく痛む。

捻挫だ。

私は父におんぶされて祖母の家に戻った。

高校生になって父におんぶされるのはなかなか恥ずかしかったが、一人で歩くこともできなかった。

祖母に手当てをしてもらい、安静にすることになった。

捻挫のおかげで明日クロユリを見ることはないだろうが、悠太とも遊べない。

「つまんない…」

「何が?」

声のしたほうを見ると、また悠太がいた。