ファーストキスは浮き輪でした。

「お父さんね………どうせ、夏休みが終わったら………めいとさよなら……しないと、

いけなかったんですよ………」

「え……」

「神様に頼んだんです…………めいの事が、心配だから……夏休みの間だけでも……めいと、一緒にっ、

過ごさせて欲しいって………」


そうだったんだ…………。


フシューフシューと、私の指の間から、僅かに空気が漏れていく。


「だから………、こんな姿で………済みませんね…………」

「…っ、謝らなくていいっ!!

お父さんとまた会えて、それだけで嬉しい!!

浮き輪の姿でも、すっごく嬉しい!!

だから……まだ居てよっ!!ねえ!!!お父さん!!!!!」


あ、れ……。

おと、さ…………?


「お父さん………?」


お父さんが、返事をしなくなった。