ファーストキスは浮き輪でした。

「まあ、そんなのはどうでもいい。

俺は、笠原に復讐が出来たら、それで十分だからな………」


そう言うと、卓はポケットからナイフを取り出した。


まさか…。


刺す、つもり………!?


そんな……私、殺される!?

死ぬの!?


嫌だ嫌だ嫌だ!


まだ、やり残した事が沢山あるのに!

まだ、17年とちょっとしか生きていないのに!

やっと、お父さんと再会できたのに!!


まだ、死にたくない!!


しかし、そんな気持ちとは裏腹に、体はガクガクと震えて、

一歩も後退りが出来ない。


このままじゃ、


刺される…………!


「死ねえ!!!!」


卓が、ナイフを振り翳した。


もう駄目だ。


死んでしまう。