ファーストキスは浮き輪でした。

次の日、家に帰るとお父さんが死んでいた。

血まみれで。

胸に、サイフが何度も刺さったような痕があった。


私は、その日からずっと泣いていた。

大好きなお父さんが死んでしまった。

もう、お父さんは私にギャグを言ってくれない。

もう、お父さんはこの世にはいない。


幼い私でも、その事が分かっていて、とても辛かった。


それから数日がして、お父さんを殺した犯人が捕まった。

それは、私の担任の先生だった男だった。


先生だった男は、仕事がなくなり、途方に暮れていて、酒に明け暮れ、まあなんか色々悪い事をいっぱいして、

だけど全然楽しくなくて、つまらなくて、憂鬱になって、

先生という職業を失った原因となったお父さんを殺したという。


私のせいだ。


私が、素直に梅干しご飯を食べていれば、先生の言う事を聞いていれば…。

お父さんは殺されなかったんだ。

私が、お父さんを殺したも同然なんだ。


そう思った。


私は、それ以来、苦手な物や嫌いな物も、なるべく食べるようになった。


でも、そんな事をしても、お父さんは戻ってこなかった。